ロープアクセス工法(無足場工法)ってご存じですか?ロープアクセス工法は、建物や構造物の高所での作業を行う際に、ロープを使用してアクセスする技術です。この工法は、特に足場の設置が難しい場所やコストが高い場所で効果的な工事方法です。当サイトを運営するWeb系フリーランスのテンコはロープアクセス工法を行う会社に入社し、この工法で外壁の調査や修繕工事をしていました。
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当サイト【てんこ盛り情報局】を運営するWeb系フリーランスのテンコです。テンコはフリーランスになる前にロープアクセス工法(無足場工法)の仕事をしていました。レスキュー隊でも活用されるロープ技術で外壁の検査や修繕工事をする仕事でした。今回はその時の事をブログで紹介します。
職業訓練を終えロープアクセス事業をする会社に入社
求職支援制度の職業訓練「ビジネスパソコン基礎科」の受講し就職活動して入社したのがロープアクセス事業をする従業員3人程の小さな会社でした。
目に異常がある事を理解してもらったうえで、営業兼調査した図面をまとめる事務職として雇ってもらいました。
ロープアクセス工法を用いた柔軟かつリーズナブルな施工が強みの会社
入社した会社は主にビルやマンションの高所で行う改修工事を架設足場や高所作業を使わずにロープアクセス工法(無足場工法)で施行する会社でした。
シール職人の社長も自ら現場に出る小さな会社でした。
ロープアクセス工法とは?
ロープアクセス工法とはビルの外壁工事の際に、高所での工事に必要な足場を仮設せずに、屋上などから産業用のロープで作業員が吊り下がり、工事を安全に行う技術のことです。
足場のコスト(費用・時間)がかからない
足場が組めない、高所作業車が入れない狭い場所でも作業ができる
景観を保てる
ピンポイントの作業に強い
など、費用、時間、景観、利便性などあらゆる点でメリットがある工法です。
よく街のオフィスビルからロープでぶら下がって窓ガラスを清掃している作業員を見た事があるとおもいます。それと同じで俺はガラス清掃ではなくて、外壁調査や改修作業をしていました。
営業・事務で入社したはずが現場作業員に
目に異常がある為、現場作業員ではなく営業と事務で入社したのですが、現場の勉強も必要との事で入社してすぐにロープアクセス工法の現場へ行きました。
14階建てマンションの外壁調査の現場
初日の午前中はロープアクセス工法に必要な道具を運んだり、作業している下の通路で通行人の誘導をしたりしていました。
初日に14階建てマンション屋上からロープでぶら下がる
架設足場での外壁調査や外壁改修工事は3年位経験があったので、初日の午後に20年以上経験しているベテランの作業員の指導で実際にロープにぶら下がって作業してみる事になりました。
ぶら下がるロープのセッティングはベテラン作業員の先輩がやってくたので、俺はカラビナで繋いだ下降器付きのハーネスを着てぶら下がるだけです。
セーフティーロープとメインロープのセッティング方法を指導してもらい、躊躇なくぶら下がる事ができました。
ロープがしっかりセッティングしてあって切れなければ落ちる事はないとおもっていたので、全然怖くはありませんでした。ロープはかなり頑丈なロープなので滅多に切れる事は無いとの事だったので、どちらかと言えば楽しくて気持ち良かったです。
2日目からベテラン作業員のサーポート
初めてロープにぶら下がった次の日から、ベテラン作業員にロープアクセス技術の指導を受けながらサポート作業をしました。
外壁の調査は目視や打診検査して音を確認し劣化部分をみつけだします。
本来は1人で調査して異常部分を図面に記入していきますが、俺がロープ作業に慣れるために、先輩が打診して俺が図面に記入する作業をしました。
俺は外壁調査や改修工事の経験者なので先輩が打診した音で異常がわかります。3日間くらい先輩の近くでロープにぶら下がり、ロープアクセス技術の指導を受けながらサポート作業をしました。
初めての現場はロープアクセス技術の指導を受けながら先輩のサポート作業をしていました。
次の現場からは、先輩と現場には一緒に行くけど、作業は1人でやるようになりました。
多分社長は最初から作業員として使おうと考えていたとおもいます。ロープアクセス以外は3年の経験があったので直ぐに作業員として使えたらラッキーみたいな感じですよね。
ロープアクセス事業をする会社の主力作業員に
ベテランの先輩に指導してもらい、入社して1か月後には1人で現場に行くようになりました。
架設足場での作業は色々な道具や材料を持って足場上を移動するので、目に異常があると危ないしとてもしんどいのですが、ロープアクセス工法はロープをセッティングしてぶら下がれば、使う道具や材料を持って歩く事がないので、目の不自由な俺にはとても合っていました。
俺は足場作業よりロープアクセス工法の方が安全だし楽だとおもっています。ロープはレスキュー隊も使っているロープで故意に切ろうとしても中々切れないロープだし、切れないようにロープ保護とメンテナンスはしっかりしています。ロープのセッティングなど人為的ミスさえなければとても安全で体も楽です。
営業職と事務職で入社したのですが営業は一切していません。
調査内容の報告書などは調査した作業員が作成するので事務作業は多少やっているのかもしれません。
マンションの大規模改修工事の仕事経験が活きる
社長以外の従業員は3人いましたが、入社2年以内の人たちばかりでした。
ロープアクセス技術の指導をしてくれた先輩はずっと窓ガラス清掃をしていた人で、ロープアクセス技術はベテランですが、外壁工事経験はロープアクセス工法での工事経験のみでした。
1人はお爺ちゃんで昔、ブランコ工法で食っていた人みたいですが、この会社ではガードマンみたいなことをしているアルバイトで、もう1人は半年前に入ったド素人でした。
俺は足場でのマンション大規模改修工事の仕事を3年していたので、調査、劣化部分の処理、下地補修、タイルの張替え、簡単なコーキング、防水、塗装工事などはある程度はできます。発注者や元請けとの打ち合わせもできるので入社して1か月位で直ぐに主力になりました。
本格的なシールの現場は、シール職人の社長が誰か連れて現場に入り、外壁の調査や改修工事は俺が担当するようになりました。
営業にも貢献したかな?
営業職として入社したのですが、現場の作業に追われ営業は一切していませんでしたが、何件か仕事をもってきました。
水商売の時のお客さんからの仕事
水商売をやっていた時に良くしてもらった足場屋さんの社長が仕事を紹介してくれました。
マンションの大規模改修工事で組んだ足場が倒れないように躯体から足場繋ぎを取っているのですが、その処理を足場解体後にやってほしいという内容でした。
足場屋さんの社長が元請けさんに話してをしてくれて、元請けさんから依頼がありました。リピートをもらい今でもその仕事はやっているとおもいます。
呑み友の不動産屋支店長からの依頼
呑み友達で不動産屋の支店長をしている人が仕事を依頼してくれました。
地元密着型の不動産会社で管理しているマンションやビルの調査や修繕の依頼を結構やらせてもらいました。
俺が「ロープアクセス工法の仕事を始めたよ」って言ったら、仕事を依頼してくれました。呑みの席でしか会った事がないのに、とてもありがたいですね。
安全を無視した作業で怪我をし退職
入社して1年以上たち、とても忙しく働いていた時、安全作業を怠り怪我をしました。
とても馬鹿すぎる行動
高さが2m以上ある庇(ひさし)からハーネスやカラビナなど7キロ以上の装備を体に装着したままジャンプして踵を骨折しました。
普段ははしごを利用するのですが、その日はマンションの外壁調査現場を3件まわるハードスケジュールで、少し焦っていた事もあり安全を完全に無視した行動をしてしまいました。
一棟目の現場で怪我をして、何とか残り2棟も調査して病院に行ったら踵を骨折していました。松葉杖を使わずに歩けるようになるまで3か月の怪我でした。
退職することにしました
怪我をする前から退職する事は考えていました。
ロープアクセス技術を指導してくれた先輩が数か月前に退職していました。
その先輩は社長のやり方に反感を持ち、以前勤めていた清掃会社に戻りました。
戻った会社で新しくロープアクセスによる外壁の調査や改修工事をする部署を立ち上げるとの事でした。
俺もその頃位から会社の待遇には不満がありました。
とても忙しかったのですが、先輩がいなくなってもっと忙しくなりました。
外壁調査の場合は現場で作業した時間と同じ位に報告書を作成する時間がかかります。
その日の現場作業が終わってから事務所に戻り報告書を作成するのですが、現場が終わり事務所に戻るのは早くても19時過ぎです。
報告書を作成する時間は残業代が一切でませんでした。
給料やボーナスに反映されているのであれば良いのですがそれもありません。
時給換算したら酷いものです。
小さい会社なのでしょうがないのでしょうが、社長が高級車に乗り換えたり、専業主婦の奥さんが新車を買ったりするのを目の当たりにするとおもしろくはないです。
俺以外の従業員はおじいちゃんアルバイトと素人だけになりました。
どちらも免許を持ってないので俺が運転するしかありません。
目の異常は眉間に力を入れると正常になり運転も何とかできるのですが、それを毎日数時間するのはかなりしんどい事でした。
無理して運転して事故を起こしてからじゃ遅いのでやっぱりこの仕事は無理だと考えていました。
社長も面接の時に目の異常を伝えていたので、知ってはいましたが忘れたふりをしていました。
とても忙しかったので必死に何とか毎日を乗り越えていたのですが、怪我をした事で気持ちが切れてしまいました。
怪我をしている時にバイトしていたキャバクラの店長から系列店の手伝いをしてほしいと言われました。
自分のミスで怪我したのですが、その時は待遇の悪さや忙しさのせいにして水商売に戻る事にして会社を退職する事にしました。
退職したのは待遇の悪さもありますが、やっぱり一番の理由は目ですね。ロープ作業は何とか誤魔化しながらできるのですが、車の運転はやっぱり危険です。この時に俺は、やっぱり建築業は無理だと諦めました。建築業以外でも車を運転しなくてはならない仕事は絶対に無理だと諦めました。